当社ではSDGs17のゴールの一つである
12.つくる責任つかう責任
に貢献できる商品づくりを推進しております。
環境に配慮された素材を活用すること = 12.つくる責任つかう責任への貢献
として日々の生産活動に取り組んでおりますが、ここ最近
「他の企業ではどのような取り組みをしているのか?」
「世界全体としてどのような動きになっているのか?」
が気になり、いろいろと調べてみました。
そこで魅力的な取り組みや海外での動きなど新たな発見がありましたので、紹介します。
少しでも興味があれば続きをご覧ください。
※国際連合広報センターが発表している情報を軸に紹介していきます。
企業だけではなく大学での取り組みを知りたい場合はこちらもどうぞ。
\見ないと損かも?/
環境フットプリント
フットプリントとは
「足跡」や「占有領域」
のことです。
つまり環境の足跡ともいえます。
もう少し詳しく説明しますと、
人間の活動が環境に対して、どの程度負荷を与えているのか計算して見える化したものです。
- カーボンフットプリント
製品やサービスに関わる過程にて排出される温室効果ガスをCO2に換算(数値化)し、見える化することです。 - ウォーターフットプリント
材料の調達、消費やリサイクル過程で使用された水(汚染水含む)を定量的に見える化することです。※間接的に関わる過程も含みます。 - マテリアルフットプリント
金属鉱物、非金属鉱物、化石燃料など天然資源量を見える化することです。
12.つくる責任つかう責任におけるターゲット2では
2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
が掲げられており、フットプリントはSDGsの目標を達成するための重要なプロセスの1つです。
ターゲットについて詳しく知りたい人は外務省のサイトをご覧ください。
フットプリントを活用している事例①ユナイテッドアローズ:カーボンフットプリント
アパレルのセレクトショップとして有名なユナイテッドアローズでは、カーボンフットプリントの説明を通して、販売側・利用者の双方で実践可能なことを紹介しています。
【ユナイテッドアローズ側で実践可能なこと】
- カットソー1枚の製造で発生するCO2量可視化
- 温室効果ガス排出量の少ない素材活用や工場での再生可能エネルギーへの切り替え
【利用者側で実践可能なこと】
- 洗濯機や乾燥機での使用回数の見直し
- お風呂の残り湯の利用
「つくる」だけではなく、「つかう」も含めた全体の工程でCO2削減を進めようとしております。
この取り組みの優れている点は利用者側にもCO2削減に対する意識を植え付けられる点です。
自分たちが製造している商品を通して、作り手だけはなく、利用者も含めた意識向上に繋げています。
特に魅力的に感じたのがコチラのページです。
https://store.united-arrows.co.jp/ua_columns/hitomonoutsuwa/hito/wp-14170
サステナブルを意識した行動は少し面倒と思われるケースもありますが、このページは
サステナブルな行動=素敵な行動
という、やらされ感ではなく、自然と取り組みたくなるよう提案されています。
フットプリントを活用している事例②ヒルトン:環境フットプリント
世界的な高級ホテルグループであるヒルトンでは2030年までに環境フットプリントの半減を目指しています。
例えば、
ヒルトンが管理する業務における水の使用量を50%削減(リットル/m²– 2008年基準)
ヒルトンが管理する業務における廃棄物排出量を50%削減(メートルトン/m² – 2008年基準)
など挙げられています。
様々な活動を進めていますが、特に「Earth Group Water」の採用が印象に残りました。
こちらは生分解性可能なボトルを使ったお水の提供です。
「生分解性可能」というプラスチックの存在自体は知っていましたが、自然分解されるため、使用期限が短いというデメリットが存在しています。
そのため、使用できる用途が限られている認識だったのですが、こちらのボトルは10年以内に生分解するという優れた性能を有しています。
環境負荷が大きいとされているプラスチックですが、とても便利な素材です。
生分解性プラスチックはその利便性を享受しながら、環境への負荷も低減できる優れモノ。
Earth Group Waterのボトルは10年以内に生分解するということで、実用に耐えうる利便性をもっています。
ヒルトンが利用するということは、使用した分の環境負荷削減だけではなく、このような優れた商品を世界中に広め、利用者拡大に繋げています。
ちなみに、プラスチックは生分解性以外に、既存のプラスチックに植物由来成分を配合したタイプも開発されています。
化石燃料倍増
パンデミックからの経済回復など複合的なグローバル危機が引き金となり、化石燃料への補助金がほぼ倍増。
3,750億ドル:2020年 ⇒ 7,320億ドル:2021年
一方、IEA(国際エネルギー機関)は2023年版の「世界エネルギー展望」では、
世界各国の政府が現在の政策を継続した場合、化石燃料の世界需要は2030年までにピーク
に達すると予想しています。
2023年11月30日から開催されているCOP28(気候変動枠組み条約第28回締約国会議)でも、国連事務総長より
化石燃料の段階的な廃止
を訴える声明が発表。
直近では補助金により化石燃料使用量増が懸念されていますが、長期的には化石燃料使用量は減少していく方向にあると予想できます。
続いて、エネルギーを再生エネルギーに変換することで、従来の化石燃料エネルギー削減に貢献した企業を紹介していきます。
再生可能エネルギー使用比率100%を達成した企業①東京エレクトロン
- 事業所における省エネルギー化や再生可能エネルギー導入の推進
- CO2排出量:2021年度は2018年度比較して49%削減
具体的な取り組み内容として
- クリーンルームの省エネルギー運転、オフィス冷暖房の適切な温度設定など
- 荷物の輸送時に使用される樹脂パレットのマテリアルリサイクル化の処理に伴うCO2排出量の削減
が挙げられています。
再生可能エネルギー使用比率100%を達成した企業②安藤ハザマ
ゼネコンで初となる事業活動で利用する電力を100%再生可能エネルギーで調達。
太陽光発電設備、小売電気事業者が提供する再エネ電力、及び非化石証書の組み合わせで達成したとされています。
※非化石証書について知りたい場合、こちらをご覧ください。
https://www.heiwa.site/merit-and-demerit-for-carbon-neutral-regarding-company/#toc-2_3
カーボンニュートラルについて知りたい人にもオススメです。
食品ロスの問題
国連の情報によりますと、2021年には8億2,800万人が飢餓状態に直面しているにもかかわらず、世界の食料の13.2%が収穫後、農場から消費者に届く前に失われているとされています。
さらに、17%の食品が家庭・外食・小売の過程で廃棄されており、2019年には9億3,100万トン(一人当たり120キログラム)と大量の食品廃棄が発表されております。
画像引用元:United Nations ※2019年時点の一人当たり食品ロス量
上記グラフの「World」が世界全体における、一人当たりの食品ロス量(119.9)です。
食品ロスに対応している企業①若潮酒造:サステナブルなお酒を開発
廃棄されるイチゴを活用した珍しいお酒を開発。
砂糖を加えていないため、低カロリーでイチゴ本来の甘さをすっきりと楽しむことができるとされています。
食品ロスに貢献するだけではなく、魅力的な商品づくりを実現している事例です。
廃棄されるもの×既存技術
の組み合わせという、他でも活用できる考え方自体も参考になります。
食品ロスに対応している企業②株式会社ハットリー:フードバンク
地元宮崎における有名スーパー:フーデリーを展開するハットリーでは、ひとり親などの困窮世帯に食品を届けるフードバンク事業を実施。
事業の特性をうまく活かした、つくる責任つかう責任に対する貢献といえます。
同じ食品に関わる業界として、飲食店チェーンも挙げられます。
店舗にグリーンカーテンを設置したり、調理器具で省エネを実現したり、と創意工夫を凝らした活動を展開中です。